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特集 「人為的影響が少ないため池における水質の季節変化の解析」という論文

学術誌に掲載された愛研の自主的な水質モニタリングの研究成果

 このたび、愛研が社会的貢献活動の一つとして行なってきた、愛知県犬山市の「大洞池」の水質モニタリングの研究成果が、平成25年7月31日発行の陸水学分野の学術誌に論文として掲載されました(大屋渡ほか,「陸の水」vol.60,pp20-30,2013)。
 これは「人為的影響が少ないため池における水質の季節変化の解析-大洞池(愛知県犬山市)での事例研究-」と題する論文で、愛研の職員有志が、自主的に、毎週1回の調査を4年間欠かすことなく継続し、データを取り続けた結果見えてきた、水質の季節変動の要因についてまとめたもので、陸水学の専門家の方々から「貴重なデータと、興味深い考察」という評価を頂くことができました。
 その詳しい内容は、この「陸の水」投稿規程にあるように、1年後にならなければweb公開されませんが、簡単に言いますと、ため池の水質(透明度や有機物濃度)は、人為的影響がなくても季節によって大きく変動し、その変動は流入水の水質が原因になっているのではなく、池の底に堆積している泥や落葉などが原因となって、ため池の水が停滞状態になることに伴って生じる、ということを示したものです(ちなみに、査読付き論文となる前、研究集会発表の要旨はこちら)。
 このようないわゆる「底泥」によって水質が大きく影響される現象が、富栄養化が進んだ水塊に認められるということは従来から知られていました。しかし、そうでない環境下でも、いや、人為的影響のない清浄で繊細な水塊だからこそ、「底泥」の影響を強く受けるということが明らかになり、研究を行なった当事者としても驚きの大きな結果となりました。
 この研究成果は、4年間、週一回という膨大な数のデータによってこそ、陸水分野の専門家による査読をクリアーし、世に出ることがものですが、普通の民間企業に所属する人が、学術論文になるまでの研究を行い、論文を執筆することは大変珍しいとのことで、それをやってきた当事者の「思い」を、ここで述べさせていただき、愛研という会社の紹介とさせていただきます。

 愛研は、環境測定や環境分析という公的な意味合いの強い事業内容をもつものの、実際のところ、巷にあふれる営利企業の一つに過ぎません。しかし、できれば、企業としての社会的責任を、社会貢献という形でも果たして行きたいと考えています。それは、私達が、世の中にとって、より必要とされる存在になりたいと願うからです。このような欲求は、おそらく個人において普遍的に存在し、企業においてもそうであると言えるでしょう。
 企業としての社会貢献のあり方を考えた場合、環境活動というものがよく取上げられますが、愛研は、その環境活動の内容は、「その企業ならでは」、すなわち本業を生かしたものが最良と考えています(そのあたりは、こちらでも説明しています)。
 愛研にとって、本業を生かした環境活動、というのは、どういうものになのでしょうか?…私達は、これまでも地域のNPOの環境保全活動に環境調査メニューを提供することで協力したり、市民による環境調査を専門家の立場から支援するなど、私達の本業である環境調査を生かした活動を心掛けてきました。
 それらの活動では、たしかに、市民の皆さんの活動をサポートすることはできたと思いますが、私達は、環境調査、とりわけ、環境モニタリングという行為が、本来持っている「力」というものが、何かあるのではないか?とも考え続けてきました(そのあたりの問題意識はこちらのような発表にあります)。
 そうは言っても、愛研は、環境測定、環境分析を行う会社としては、ごく普通の会社です。何か、特別な分析ができるというわけでもありません。それでも、私達ならではの「何か」、私達の仕事が、本来持っているもの……大学の先生方のアドバイスも得て、行き着いたのは、環境測定、環境分析をやっている会社なら大抵できる、ごくありふれた調査項目。ただし、それを、モニタリングとして、圧倒的なデータ数が得られるまで、「ひたすら」続ける……
 こうして、「大洞池」において毎週1回という高頻度の水質モニタリング調査が始まったのは、平成20年の年の瀬のことでした。
 ごくありふれた調査業務を、日常に追加するという、ごくわずかな「差」。その気になれば、どの会社でもできるような、そのごくわずかな「差」を、ひたすら積み重ねていく…その先に何があるのか、実のところ全く予想もつきませんでした。だから、データが出てくるにつれ、調査方法の改良も重ねることになりました。
 思いのほか「ダイナミックな」水質データの変動に「何かあるのかも?」と思ったのが、始めてから1年後、研究当初からお世話になっている日本陸水学会東海支部会の研究集会で発表したところ「そんなデータは、今まで見たことがない。何かおかしいのでは?」と言われながらも、気が付けば4年間。わずかな「差」が重なって、膨大なデータによって語られ始めた物語は、私達が思っていた以上に、私達の「本業そのもの」が持っている可能性を示してくれるものでした。

 この文章を書いている2013年8月現在、「大洞池」でのモニタリングは、懲りもせずに、まだ続いています。学術的には、同じことを、ただ続けるだけでは頭打ちになりますが、実際は「大洞池」そのものが、ため池という人為的な存在であるがゆえに、データを論文にまとめた直後に「池干し」というインパクトの極めて大きい変化にさらされ、その後は水質にも大きな変化が認められています。
 この変化は、もしかしたら、地域の人々が、地域の水環境に対してどのような働きかけをすれば、より良い「生態系サービス」を享受することができるか、それを考えるきっかけとなるデータを提供することになるかもしれません。環境調査・環境モニタリングには、そんな、さまざまな可能性が、まだ眠っているのではないかと思います。
 もちろん、私達愛研が、社会により必要とされるためにできることは、環境モニタリングばかりでもなく、いわゆる環境活動でなく、普段頂くありふれた仕事の中にも「眠っている」のだと思います。私達は、これからも、私達ならではの「何か」を追求してまいります。

【2014年8月5日追記】掲載論文はこちら(PDFファイル)に公開してあります。よろしければ、ぜひご一読下さい。

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