株式会社愛研 環境保全事業
モキ製作所の薪ストーブ 普及販売】

モキ製作所薪ストーブ生活イメージ

高温燃焼だから可能なクリーンさと経済性

【ぽかぽか暖房の秘訣】〜その5〜

一般的な鋳物製薪ストーブについての根本的な疑問

ここでは、ネット上では「散々」と言っていい、モキ製作所の薪ストーブについての口コミ・評判に関して考えてみたいと思います。結論として言えることは、暖房器具としての本質というべき燃焼温度が、一般的な鋳物ストーブの400〜500℃(表面温度の2倍程度が目安)に対して800℃と「まるで」異なるという事実と、理屈の上では、ススや煙を最も排出しやすい焚き付けから「巡航運転」までの時間が最も短くて済むということです。その結果、実際の暖房器具全体としての性能がどう違ってくるのか、科学的というか常識から導かれることを論じてみます。

まず、特に輸入物でも中心となっている一般的な鋳物の薪ストーブについて考えてみます。ちょっと知識のある方なら「常識」のように、それらは通常表面温度を250℃程度の適温に保つ必要があり、表面温度が300℃を超えてくるような燃やし方をしてしまうと、薪ストーブ本体の鋳物が歪んだりひび割れたりして、傷んでしまうと言われています。そのために、薪ストーブの表面には温度計をくっつけて常に温度が見れるようにして温度管理をしっかり行うとともに、そもそも燃焼部の壁が断熱材で覆われているのが常識と言えます。

さらに、温度が上がり過ぎないように慎重(穏やか)に燃やした結果生じるススや煙を処理するために、燃焼空気の流れの下流側にバッフルプレートや送気システム、ないし触媒のような構造を持ち、煙突付近でススや煙を改めて燃焼させているという「クリーンにする仕組み」も、一般的な鋳物製薪ストーブの「常識」です。

燃焼空気の温度と流れによる鋳物製薪ストーブのイメージ図

しかし、暖房器具である薪ストーブに「本筋」があるとすれば、それは薪の持つ熱エネルギーを、いかに効率よく居室に取り出すかということになるはずです。そこから見ると、一般的な鋳物製薪ストーブには、輻射熱を取り出すために「いつも磨かざるを得ない」ガラス窓を除く炉室の壁全体に施された断熱材が果たして合理的なものなのか、合理的な疑問が生じます。

熱を取り出す最も手っ取り早い方法が「直接接触させる」ことであるように、薪の燃焼により生じた熱を、余すことなく居室に取り出そうとするほど、薪の燃焼と居室はできるだけ隔てられていない方が良い。このことは、ごく当然の感覚として思い起こされることです。そうなると、薪の燃焼部と居室が断熱材などで隔てられていってしまった時に、薪の熱エネルギーはどこに行ってしまうのでしょうか。

普通に考えて、燃焼部に貼られた断熱材が厚いほど、熱は内部に籠り、最終的に空気の流れに添って外部に出て行ってしまう……つまり、薪の熱エネルギーの中で、煙突から外に出て行く割合を増やしてしまっているのではないでしょうか。

さらに、もうひとつの疑問がススや煙を処理するための再燃焼構造が「空気の流れ上は、すぐに外に出て行ってしまう場所」である煙突付近に設けられていることです。この再燃焼に伴う熱エネルギーも居室に取り出したいという観点からは、熱い空気が煙突に向けて直ちに排出されてしまうのは、不都合な方向に働いていると言えなくないでしょうか。

たしかに薪の燃焼で発生した熱エネルギーを煙突方向に流してやることも、クリーンさという観点からは、煙突内部へのタールの付着を防いで速やかに排出するためには有効と言えます。しかしもし可能であるのなら、燃焼部の壁に断熱材を貼ることなく、煙突方向に熱を流してしまうのではなく、熱エネルギーをできるだけ直接居室に取り出す方向に持って行った方が、暖房の本筋である「有効な熱エネルギーの利用」と言えなくはないでしょうか

薪の熱エネルギーを効率よく居室に取り出すために

モキ製作所の薪ストーブは、このような疑問に関していえば、燃焼部の壁に「邪魔な」断熱材はありませんし、ススや煙も、燃焼部での完全燃焼によって処理する方向を目指しています。

燃焼空気の温度と流れによるモキ製作所製薪ストーブのイメージ図
このため、薪の燃焼によって生じた熱エネルギーが500℃にも及ぶ本体表面温度によってダイレクトに居室に届けられる構造となっており、遠赤外線の物理法則(シュテファン・ボルツマンの法則)に従い、そこから発せられる遠赤外線の強さは本体表面温度250℃の一般的な鋳物製薪ストーブの4倍以上にもなり、ガラス窓も暖房上は必要ありません。

しかも、その高温燃焼の状況が、非常に速やかに達成される仕組みになっています。具体的に言うと、焚き付け時に燃焼部から煙突入口まで空気が流れる断面積が極めて広い(茂木プレートは低温空気の流れの障害にはならない)ために、燃焼空気は順調に吸気口から煙突に向けて流れだし、炎の温度は素早く上がって高温燃焼に近づいていきます。これは、焚き付けがスムーズと言われる、触媒タイプの薪ストーブのショートカットのためのバイパスダンパーを開けている状態以上に火がつけやすいと言えます。

しかも、もう一つ、焚き付けに関してモキ製作所の薪ストーブが特徴的なのは、炉壁に貼られた断熱材など、燃焼部の温度を上げるために最初に暖めるべき部材が「ない」ため、燃焼部はより速やかに高温になるということです。

すなわち、モキ製作所の薪ストーブは、薪の燃焼が始まってから、居室に取り出し可能な高温状態(いわゆる「巡航運転状態」)になるまでの時間が極めて短く、なおかつ燃焼部と居室を隔てるものが本体の鋼板しかないため熱が伝わりやすく、煙突部よりも燃焼部において、ススや煙を含めた可能な限り全ての燃焼物を燃やしてしまおうとするので、煙突から逃げる熱は燃焼空気の流れに添った最小限のものにとどまり、薪の熱エネルギーは相当効率良く居室に取り出されていると考えられるのです。

つまり、モキ製作所の薪ストーブの立ち上げを含む「実際の」使用時における経済性(薪の熱エネルギーを居室の暖房に有効利用できる効率)は、理屈の上では、相当高いと推定されるわけです。

このことを裏付けるような、実証比較データはどうやら存在しないようです。モキ製作所が早稲田大学と共同で測定した燃焼効率の実測データはありますが、他社では同様の実測データは公表されていないようです。

しかし、もともとクリーンな排気を目指して開発された高温燃焼を中心とする技術は、薪の熱エネルギーを居室に取り出す上でも、一般的な鋳物製の薪ストーブに比べて相当有利に働いていること自体は間違いないと言えるでしょう。

そして、この「薪の熱エネルギーを居室に取り出す上で有利」ということを別の角度から見れば、「必要な暖かさを得るために必要な薪が少なくて済む」ということにもなります。それに関して「モキ製作所の薪ストーブはガンガンに燃やすので薪がたくさん必要」という口コミもあるようです。論より証拠。実際に、天板温度200℃から250℃を何時間保てるか、試験を行った動画がこちらです。実際の試験では3.5kgの薪を用意しましたが…あまりに長時間過ぎたので、2.5kgに変更しました。「答え」を書いてしまうと、立ち上げを含めて2.5kgの薪で「2時間」です。

立ち上げも含めて「わずか」2.5kgの薪(市販の広葉樹の薪は、一束10kgと言われています。針葉樹だと6kgといったところでしょうか)で、一般的な鋳物製の薪ストーブであれば「何ができるのか」、普段使われている方に実際に話を聞いてみられるのも良いかと思います。

高温燃焼だから可能なクリーンさと経済性

モキ製作所の薪ストーブについて、暖房器具としての特徴をまとめますと、まずススや煙が出ないことを第一の目的として高温による完全燃焼を目指したので、その高温燃焼がすばやく立ち上がって維持されている限り、その排気はクリーンであることが挙げられます。

モキ製作所はカタログでダスト排出量の実測値を公表していますが(代表的なモデルを例に、MD140U:2.1g/hr、MD80U:1.7g/hr)、これはU.S.EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)の2015年基準(2.5g/hr)を下回っており、またモキ製作所として環境省に対し規制強化の申し入れを行っている(2011年)ことから、一定以上の説得力があるものと認められます。少なくとも国内において、このような実測データを公表し、環境省への申し入れを行っているメーカーは他にないのではないでしょうか

そして繰り返しになりますが、高温燃焼を速やかに実現させるためのシンプルな構造が、結果的に、燃焼部と居室を遮る部材を最小限にしており、薪の燃焼エネルギーが鋼板1枚隔てるだけで、ほとんど直接居室に届けられる状態になっていることが挙げられます。これは、より少ない薪で、室内を暖めることが可能であることを示しており、薪にかかるコストや労力が非常に少ないことになります。

以上のようなことは、モキ製作所の薪ストーブの構造から理論的に導き出されることであり、一般的な鋳物製の薪ストーブと条件を揃えて実際に性能を比較したという報告はありません。モキ製作所のうたい文句である「無煙」を揶揄して、一般的な鋳物製の薪ストーブでも「巡航運転中」は煙も見えない「無煙」だから意味がないという論調が、特にネット上でよく見受けられます。高温燃焼に関しても茂木プレートの温度を500℃まで上げなければならない(そんな燃やし方では茂木プレートを傷めてしまう)という、現実的には運用不可能な誤解に基づく実機レビューまで存在します(ちなみにモキ製作所の薪ストーブの正しい燃やし方はこちら【「いよいよ試運転」の写真の下の余談、開いたページ「再読み込み」でちゃんと飛ぶ場合あり】にまとめてあります。ご参考までに)。

本事業を展開するにあたり、色々調べてみて実感したのですが、モキ製作所の薪ストーブについて、ネット上の口コミ・評判は悪いものが大多数です。しかしそれらは多くが、証拠は何もない憶測で語られていたり、証拠とされるものは、私が見る限り「正しい使い方をされていない」ものであったりします。

その一方で、私もこの事業を実際に展開してくようになって、何人もの人の口から直接聞くことになったのですが、同じような「無煙」のはずなのに煙突出口の周囲に積もる灰の様子が全く違うとか、同じような量の薪を使っているのに暖かさが全く違うとか、そのような「驚きの声」が存在するのは紛れもない事実です。ネット上でも正しい使い方がわかって、その合理性に納得された、こだわりと工夫に溢れるユーザーさんや、ご自身は何の得もないのにモキ製作所を熱烈に応援している、人の心を何より大切にされるユーザーさんのような、素敵な方々がいらっしゃることもわかりました。

少なくとも、モキ製作所の「高温燃焼」を否定しなければならない科学的、合理的な材料は、私には何一つ見当たらないのです。

【追記:ただし、きわめて高気密・高断熱な、最近の高性能住宅では「モキ製作所の薪ストーブ本来の高温燃焼状態で運転すると暑すぎる」「家庭用機種の定格出力が高すぎる」という問題があることがわかってきました。この問題についての私の見解と対処についてはこちらに詳しくまとめました。】

モキ製作所のネット上の口コミ・評判を見て、モキ製作所の薪ストーブ導入を躊躇される方も多いようですが、ここで述べたような考察(と言えるほどのものではないですが)に対して、科学的、合理的に反証できているレポートが実際にあるかどうか、モキ製作所の薪ストーブを口コミ・評判だけで判断して断念することが良い判断と言えるのかどうか、今一度、考えてみても良いのではないでしょうか。

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