株式会社愛研 環境保全事業
モキ製作所の薪ストーブ 普及販売】

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開放型暖房機器の問題点

【なぜ環境に良いの?】〜その2〜

環境に配慮した暖房としては有効であるものの…

暖房のエネルギー源として化石燃料を使わざるを得ないという前提があったとして、その中で環境のことを考えるならば、どうするのが良いかを考えてみます。つまり、CO2による温暖化の問題を取り上げて論じるまでもなく、燃料の消費量を最小限にすれば良いわけですから、まず、燃料のエネルギーを余すことなく熱エネルギーとして使いたいところです。電気はもともと化石燃料からの発電の際の変換ロスがありますし、せっかく電気という高品質なエネルギーになったものを、暖房という低品質な熱エネルギーに換えてしまうのも、もったいないことです。

そうなると、これは最も安価で効果的に暖房ができるという意味にもなりますが、燃料を燃やして得られる熱の全てを室内で利用する方法、つまり「開放型暖房機器」という方式が、エネルギー効率上最も有効です。部屋の中で燃料を燃焼させて発生する熱い空気を、そのままそっくり利用する方式です。

しかも、これがファンヒーターではなく灯油ストーブであれば、遠赤外線による「ぽかぽか暖房」も少しは期待できるほか、ストーブの上で煮炊きも可能であり、単なる暖房以外の楽しみもあります。かつて学校の教室では円筒型の灯油ストーブが中心に置かれ、給食の牛乳を暖めたり、パンを焼いたりした懐かしい記憶がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

環境に配慮した暖房としては有効な「開放型暖房機器」。薪ストーブなど再生資源が使えないなら採用したいところですが、問題はないのでしょうか?

化石燃料を燃やせば水分に対処しなければならないという考え方

基本的な考え方として持っておく必要があるのは「化石燃料を燃やせば必ず水分に対処しなければならない」という考え方です。

化石燃料は炭化水素、つまり炭素と水素から構成されているため、燃焼によって水素が燃焼して水が発生します。たとえば、灯油の場合、燃やした量とほぼ同量の水が発生します(灯油1Lに対し、水分1.1Lの割合)。これは意外に多く感じるかもしれませんが、ガスコンロで0.1m3のプロパンガスを燃やすと0.3Lの水分も放出されており、都市ガスではその割合はさらに増加します。化石燃料をエネルギー源として室内で消費すると、それだけで想像するよりもずっと多い水分が放出されていると考えるべきです。

この結果、例えば開放型暖房機器は、それを使うだけで、例えば40%だった湿度が65%程度まで上昇してしまうことがあります。湿度65%の場合、「湿り空気線図」によればウォームビズの設定温度とされる20℃近辺の室温では、表面温度が7℃低い部材があれば、そこで結露してしまいます。放出された水分によって恒常的に結露するようになってしまうと、カビやダニの発生のみならず、柱など住宅の構造体上で結露すれば、そこで腐朽菌が発生して、住宅の寿命を縮めてしまう事態にもなりかねません。断熱性能のほか、換気回数や気密性など、住宅に関する様々な要素が関係してくるため一概に言えませんが、環境のことを考えながら化石燃料を使うのは、かなり悩ましい問題を抱えてしまうことになりそうです。

安心して過ごすために

暖房には、化石燃料を燃焼させたエネルギーを全量利用するのが合理的というのは、環境への配慮では正解ですが、今度は別の問題が発生してしまいます。最大の問題は、開放型暖房機器は、近年の高気密住宅を傷めてしまう可能性があるということです。ここは環境面での「気持ち良さ」は無視してでも、住宅の保全を第一にするべきだと思われます。地震国に過ごす以上、あるいは住宅の寿命を考えたとき、強度低下を引き起こすリスクは極力回避した方が良いのではないでしょうか。

特に近年の高気密住宅で化石燃料による暖房機器を選択する場合は、水分以外にもCO2、NOx、COやVOC等の有害物質濃度が上昇してしまうリスクを考慮して、排気が外部に導かれるタイプのものが適切だと思われます。FF式(Forced draught balanced Flue type、強制給排気形)温風ヒーターなどが挙げられますが、勢いよく出てくる熱風は快適とは言い難いと感じます。FF式の輻射ストーブもありますが、反射板の前は暖かでも部屋全体の暖房としては厳しいかもしれません。そもそもFF式は燃焼ガスを外部に放出できる造作にする必要があるため、導入コストはどうしても高額になり気味で、機器の移動も困難です。

化石燃料に頼る暖房器具では、近年の住宅において、環境への配慮と暖房の快適さを両立させるのは難しいと言わざるを得ないようです。

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