株式会社愛研 環境保全事業
モキ製作所の薪ストーブ 普及販売】

モキ製作所薪ストーブ生活イメージ

【煙突掃除】モキMD80を悪条件下で1シーズン使用したらどうなるか?〜薪ストーブのある暮らしレポート〜

【現実の諸問題】〜その6〜

煙突掃除の「大変さ」を決める燃やし方

「一年に一回は煙突掃除をして下さい」と、薪ストーブを販売する立場としては、お客さんに口酸っぱくお願いしながら、モキ製作所MD80Uの実際のユーザーとしては、なかなか面倒くさがりな私です。

そこで、モキの特徴は、高温による完全燃焼でメンテナンス全般が楽だと主張する当Webサイトですが、それは、煙突掃除でも発揮されているのかどうか、実際にレポートすることも有効では?と思い立ちまして、薪ストーブではなく自らを焚きつけまして(つまり重い腰を上げて)、先日、煙突掃除の様子を撮影をしながら行いましたので、それをレポートいたします。

煙突掃除の「意味」や「大変さの違い」について概説しますと、意味は、直接的には煙道火災の防止、ということが大きいのですが、普段の「燃やし方」が上手か(正当か)どうか、その「成績」なり普段の「燃やし方」による「リスク」が具体的に目の前に示されることになり、普段の「燃やし方」が横着だと煙突掃除が大変になるので、私などは、成績書を返される出来の悪い子供のごとく、ちょっと(?)気が重いのであります(笑)

すなわち、私のMD80Uの「燃やし方」の属性を示しますと……

普通に聴けば、こんなオソロシイ状態になってもおかしくない悪条件でして、しかも、メトス名古屋さんおっしゃるように煙突内の上昇気流(ドラフト)により、煙突トップまで昇っていって、トップを詰まらせてしまいやすい紙と同じ特性の「葉っぱ」を、自家製バイオマス活用の方針から大量に燃やしているという状態で……

ところが、こんな使い方なら、普通は年一回どころか、年2〜3回煙突掃除をしなければならないかもしれないと、専門家として知っているのですが、それでもユーザーとしては、「実際のところ」として、前回の煙突掃除の経験と、普段、煙突トップがとてもよく見える位置にあるために、「大したことない」とわかっているのです。実はあまり煙突掃除の必要性を感じないもので「面倒くさがりな私」などと、のんびり構えていたということがあります。

そこで、これから、その「実際のところ」を示していくわけですが、これは、モキMD80U+断熱二重煙突ならではの事例であり、現在、私は私のユーザーさんには「モキの公式見解とは異なる、愛研独自の見解」として説明するのですが、ドラフトを得るという排気性能上の話では、モキは断熱二重煙突は不要であり(強いて言えば、冷えた状態からのドラフトは断熱二重煙突が一番得やすいので、近年の高気密住宅での立ち上げは、その方がラクという排気性能上の意味も厳密にはある)、中空二重煙突やシングル煙突でも支障なく使えるものの、そのような煙突の種類を選択すると、煙突の内側に煤やタールが付着するリスクは増えるため、ここに示すよりもシビアな状況になりやすいことを、最初に「大切なこと」として申し添えておきます。

煙突トップの状況から見る「煙突が詰まるリスク」と「周辺飛散リスク」

我が家の煙突配置、トップの位置です。そこから水平距離で2〜3メートルのところに、ベランダの角があって、そこに雨水を観測するための雨水採取ガラス容器が置いてあります(白色のポット)。あとで、煙突掃除で煙突をバラしたり、ブラシを突っ込んだり色々したあとに、この白色のポットがどうなったかも提示します。

薪ストーブの設置としては「トンデモ設置」な我が家ですが、唯一、煙突掃除だけは、とてもやり易くて、ベランダから手を伸ばすと煙突トップと、そこに接続する1m断熱二重管1本を取り外すことができます。それで、「薪ストーブの一番の弱点」と言える煙突トップ部分を、このように直接観察し、また、掃除することができます。

煙突トップ部分の汚れの状況です。煙突トップは、それこそ鳥の巣を作られてしまうことを含めて詰まるリスクが最も高く、詰まればもちろん煙突として機能しなくなるわけですが、一シーズン毎日使って「詰まる」という危惧は全くというほど感じません。強いて言えば写真では右下のほうに、固形物がスリットに引っ掛かっているのが見えます。

これは、葉っぱなどを燃やした破片がスリットに引っ掛かって、そこにタールが付着して固まったものと思われます。タールはネバネバではなく冷やされるとガラス状に固まり、煙突を叩くとカラコロと音を立てて落ちてくるようになります。ですので、トップを詰まらせないためには、不完全燃焼を避けるだけでなく、紙や、葉っぱを燃やすのを避けるというのもポイントになります(我が家では、トップを簡単に外せるので葉っぱも燃やしています)。

煙突トップ内側の状況。煙道としてはシングル管でもあり、一番冷やされる部分です。煤がある程度の厚さになって付着しています。けど、一シーズン毎日焚いてきて(しかも一日での焚き付けは2回)、これが一番「分厚い」煙道内部の煤の蓄積ですから、これで引火して煙道火災が起こって激しく燃えそうとか、そういう危惧は感じません。

煙突トップに接続する断熱二重管の一番上の内側の状況。煙道としては断熱二重とはいえ、出口に一番近いので冷やされて煤が付きやすくなります。煤がある程度の厚さになって付着しています。けど、あとで述べますが、ブラシひと擦りであっという間に落ちる「素直な」堆積です。

その断熱二重管の内側ですが、少し出口から離れるだけで、このように、煤の堆積としては非常に「うっすら」としたものになります。これが、煙突掃除の面からは断熱二重管が有利であるということです。断熱性能が落ちる煙突では、この煤の堆積が、下の方まで繋がっていくと予想されますが……それでも、モキ製作所の薪ストーブは「無煙」をメーカーが謳うだけあって、普通の薪ストーブよりはずっと有利な(気楽な)状況になるものと思われます。

煙突トップの内側と、煙突トップに接続する1本目の断熱二重管の内側にブラシを当てたところです。本当に「一瞬で」煤の堆積は落ちて、このようにきれいになります。他の薪ストーブは実際の現場を見たことがないのですが、ネットで色々見る限り、よほど上手に燃やしていないと、こうはいかないような印象を受けています。

あとは、煙突トップ側を外したところから、ブラシを突っ込んで中を擦っておきます。手応えなどは感じませんが、ブラシを抜くと煤が煙のように舞い上がりますから、掃除されているのがわかります。けど、掃除作業そのものとしては「あっという間」です。

そして、煙突トップと断熱二重管1本を元通りに取り付けて、トップ側からの煙突掃除作業そのものは終わりですが……ちょっと、養生の必要性を舐めてました(笑)少なくとも、新聞紙はもっともっと広く敷いておくべきでしたね。

煙突トップと断熱二重管1本、つまり、一番煤がたまる部分ですが…そこに付着していた煤やタールは、掃き集めるとこんな感じです。粒子が細かいという意味で掃き集めるのは大変ですが、サラサラと掃けます。量は、この写真ではたくさんあるように見えますが、実際はお茶碗一杯分という感じです。

我が家の「成績」(笑)煤やタールの様子から、どんな燃やし方をしているかわかります。サラサラとした細かい粒子だけでなく、板片のような固まりが見えるのは、タールとして固まって剥離したものです。煙突トップには「それなりに」付着していましたので、そこはやはり、一日2回立ち上げ&普段も低出力運転をしている影響が見えます。成績を見て「やっぱり」です。

煙突掃除による、数メートル風下側に位置した雨水採取容器への影響です。写真ではわかりませんが、やはり、細かい埃のようにうっすらと汚れましたので、煙突掃除をされるときは、とりあえず屋外の洗濯物などは避難させておいたほうが良いと思います。

横引きと立ち上がり部から見る「煙道火災のリスク」

煙突トップは煙道火災というよりは「詰まり」の観点から掃除をしましたが、実際の煙道火災のリスクは、壁出し(壁抜き)配置の場合「横引き」にあります。ストーブからの立ち上がりが横引きになるT字管からブラシを突っ込んで外側に煤を送り込みます。ストーブからの立ち上がりにもブラシを斜め上から突っ込んで、ストーブの内部に灰を落としておきます。掃除作業そのものとしては「あっという間」です。

ただ、実際に重要なのは掃除作業そのものではなく、室内T字管を開ける時は、室内養生は、私のように横着せずにちゃんとやっておくことをお勧めします(笑)オフシーズンで、すっかり「物置台」になっている我が家の薪ストーブMD80Uですが、横着して養生を何もせずに室内T字管を開けたところ、T字管の直下に置いてあった箱は、このように灰を被ってしまいました。

煙突トップからも、室内側横引きからも、ブラシで煤を送り込む「先」は、屋外の煙突立ち上がりの下部です。このWebサイトでは提示する順番が後になりましたが、煙突掃除の最初に、このようにキャップを外して灰を受ける袋をセットしておきます。このとき、キャップを外すと「ドサッ」と、貯まった灰が下に落ちて来ますので、最初に袋をセットしてから外します。外したキャップが袋の外に取り出せるように、キャップを外すときの袋は仮留めのほうが良いと思います。

煙突トップから落とした煤に続いて、横引きの灰を袋に落とし込んだ後の袋の中の様子です。横引きの堆積は、基本、タールなど固形分はなく、煤というよりは炉内の灰が舞い上がったようなものが相当混じっており、引火するか?と言えば、あまり引火しそうもないように見えますが、我が家の場合は葉っぱを大量に燃やしますので、それが「そのまま」出て来ました。燃える間もないまま上昇気流で舞い上がってしまったものです。この葉っぱが横引きにあると考えると、炉内の炎がストーブからの立ち上がりシングル管の内側を伝ってくれば、横引きにも引火することがあるかと思いますが……立ち上がりシングル管の内側に炎が伝うほどのタールが付着するには、時間的猶予がありそうです。

最後に。今回の煙突掃除で、袋の中に落とし込まれた煤や灰の全量ですが、こんな感じです。灰が濡れているのは、ここしばらく続いた台風などの影響で、雨の一部が煙突内部に入ってしまったものです。ですので「重さ」として測れずに残念でしたが、量としては、やはりお茶碗一杯くらいの感じです。煙突トップと合わせれば、お茶碗二杯分というところでしょうか。

以上が、1シーズン、一日2回、フルに焚き付けを続けた我が家の煙突掃除の「実際」です。そして、ちゃんと1年に1回は煙突掃除をやりましょう、というのが、設置販売させていただく立場としましての「公式見解」です。この煙突掃除を、薪ストーブの実質上の最大リスクである煙道火災の可能性を見据えて、ユーザーとして、どう捉え、どう位置付けるか。薪ストーブの設置の段階における最重要課題と言っても過言ではありません。煙突配置に加えて、断熱二重管にするか、シングルにするか種類の選択……設置コストと「その後」を大きく左右します。

ご縁あって、このページをご覧に頂きました皆さんが、この悪条件下でのモキ製作所MD80の煙突掃除の「実際のところ」を踏まえて、ハイコストパフォーマンスに薪ストーブを設置されて、本当に心安らかに「薪ストーブのある暮らし」を楽しまれることを切に願ってやみません。

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